土壌汚染「調査」Q&AQ & A for soil pollution control
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土壌汚染「調査」に関する質問
土壌汚染「調査」Q&Aでは、調査・対策管理者向けについて、よくいただくご質問内容をご紹介してします。
ご質問が解決しない場合は、お問い合わせフォームより直接お問い合わせください。
土壌汚染対策法について
- 土壌汚染対策法の目的は何ですか?
- 法律に基づき土壌汚染調査が必要となるのはどのような場合ですか?
- 土壌汚染調査の結果、土壌汚染が確認された場合はどうなるのですか?
- 自然に含まれる重金属による汚染は法律の対象ですか?
- 法律が規制する汚染物質は決まっていますか?
土壌汚染状況調査について
- 土壌汚染の有無を調べるためにはどの様な調査が必要ですか?
- 土地の売却するために土壌汚染調査は必要ですか?
- 稼働中の工場や建屋内でも土壌汚染調査は出来ますか?
- 土壌汚染状況調査では、必要なボーリング本数など決まっていますか?
- 土壌汚染状況調査は、どの業者にでも依頼することが出来ますか?
- 自然由来で汚染された地層であるかの判定は何によりますか?
土壌汚染地区の区域指定について
- 区域指定とは何ですか?
- 区域指定を解除する方法はどういったものがありますか?
- 要措置区域の範囲を絞り込むことは出来ますか?
- 土壌汚染状況調査の結果、汚染が見つかった土地は、公表され売却等に支障がありますか?
- 要措置区域で実施する浄化工事の範囲を絞り込むことは出来ますか?
- 形質変更時要届出区域で掘削工事は可能ですか?
自主調査結果による区域指定の申請について
その他
土壌汚染調査に関する回答
土壌汚染対策法について
土壌汚染対策法の目的は何ですか?
土壌汚染対策法は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的としています。
法律に基づき土壌汚染調査が必要となるのはどのような場合ですか?
土壌汚染調査が必要な場合は次の3つです。
- 有害物質使用特定施設の使用の廃止時(第3条1項)
- 一定規模(3000m2※)以上の土地の形質変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(第4条3項)
- 土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(第5条1項)
土壌汚染調査の結果、土壌汚染が確認された場合はどうなるのですか?
特定有害物質について、土壌溶出量基準や土壌含有量基準を超過していれば、形質変更時要届出地域に指定されます。さらに、近隣で飲料用の井戸がある場合など健康被害が想定される場合には、要措置地域に指定されます。
自然に含まれる重金属による汚染は法律の対象ですか?
法律の対象です。自然に含まれる重金属による汚染土壌は、自然由来汚染土壌と呼び、人為由来による汚染土壌とは区別されます。平成15年の法律施行時には、自然由来汚染土壌は、法律の対象ではありませんでしたが、平成22年の法律改定により法律の対象となりました。さらに、平成29年度の法律改定により有効利用が可能に成りました。
法律が規制する汚染物質は決まっていますか?
特定有害物質(第1種[揮発性有機化合物:12種類]、第2種[重金属:9種類]、第3種[農薬:5種類])が法律により定められています。
※平成29年の法律改定により、クロロエチレンが特定有害物質に追加されました。今後、1,4-ジオキサンが追加される見込みです。
土壌汚染状況調査について
土壌汚染の有無を調べるためにはどの様な調査が必要ですか?
汚染の区分や汚染物質の種類により、調査の方法が異なります。基本的に第1種特定有害物質の場合は、土壌ガス調査が適用されます。第2種、第3種の場合は、5地点から採取した試料を混合する方法等が適用されます。
土地の売却するために土壌汚染調査は必要ですか?
土壌汚染の有無は、土地取引に際して説明が必要な事項です。土壌汚染調査について法律上の履行義務はありませんが、不動産に潜在するリスクを評価するため、地歴調査として『フェーズⅠ環境アセスメント(ASTM規格)』を実施することもあります。
稼働中の工場や建屋内でも土壌汚染調査は出来ますか?
建屋内にも適用可能な小型ボーリングマシンも開発されています。具体的には、サンプラーを小型動力ハンマーで調査深度まで地中に打ち込んだ後、それを引き抜くことにより地層サンプルを採取する技術があります。
土壌汚染状況調査では、必要なボーリング本数など決まっていますか?
工場用地であった場合には、用地の使用状況により、汚染のおそれの区分を行い、調査地点を選定します。特定有害物質を使用していた工場など汚染のおそれが比較的多いと認められる区域では10mメッシュの中央でボーリング調査を実施します。事務所等など汚染のおそれが少ないと認められる区域では、30mメッシュ内の5地点でボーリング調査を実施します。
土壌汚染状況調査は、どの業者にでも依頼することが出来ますか?
土壌汚染状況調査とは、調査対象地が、要措置区域又は形質変更時要届出区域に指定される要件が存在するかを確認するもので、施行規則により調査法が規定されています。
区域指定等に関する調査は、環境大臣が指定した特定調査機関に依頼する必要があります。
自然由来で汚染された地層であるかの判定は何によりますか?
土地利用履歴の他に、含有量上限値の目安や地域特性、バックグラウンド値、土壌中での存在形態の確認等により判断します。
土壌汚染地区の区域指定について
区域指定とは何ですか?
区域指定とは、土壌汚染があると認められる場合に、周辺住民に健康被害が及ばないように、土地利用に制約をする区域を指定することです。
区域指定には、要措置域と形質変更時要届出区域の指定があります。
要措置域では、速やかに対策を実施して、人の健康被害を防止します。
形質変更時要届出区域では、汚染の拡散を防止する観点から、土地の形質の変更を行う前に、都道府県知事への届出が必要です。
区域指定を解除する方法はどういったものがありますか?
浄化対策(土壌洗浄や不溶化等)を実施し、その下流側の地下水の水質を2年間モニタリングして、地下水環境基準以下であれば、区域指定を解除できます。
要措置区域の範囲を絞り込むことは出来ますか?
要措置区域は、10mメッシュにて区域指定されます。この10mメッシュを細かくすることはできません。
土壌汚染状況調査の結果、汚染が見つかった土地は、公表され売却等に支障がありますか?
要措置区域等への指定は、公示されます。一般の人も要措置区域等の汚染の状況が記載された台帳を閲覧できます。不動産取引の重要事項として説明する必要がありますが、制約範囲内での土地利用は可能であり、土地取引もできます。
要措置区域で実施する浄化工事の範囲を絞り込むことは出来ますか?
詳細調査により可能です。10mメッシュ内を更に細かく区分し、汚染の有無を確認し、汚染が認められない範囲を除外することで、浄化工事の範囲を絞り込むことが出来ます。
形質変更時要届出区域で掘削工事は可能ですか?
地下水位より1m浅い範囲であれば、都道府県知事への事前の届出により可能です。
この規定は、自然由来特例区域と埋立地特例区域には、適用されず、滞水層に接する掘削工事も可能です。
自主調査結果による区域指定の申請について
自主的に調査をし、その結果により指定を申請するメリットを教えてください。
自主的な申請により、調査に係る自主的なスケジュール管理が可能になります。さらに、浄化工事などを実施する場合、申請により工事に必要な範囲を確保し、工事を円滑にすすめることができます。
その他
汚染残土の処理土量を少なくしたいのですが方法はありませんか?
土壌汚染対策法に基づく認定調査を実施し、すべての特定有害物質について、土壌溶出基準と土壌含有量基準を満足していると確認された土壌は、処理する必要は無く、有効利用が可能になります。
油で汚染された土壌の取扱いを教えてください。
土壌汚染対策法では、人の健康の保護が目的であり、油臭・油膜といった油汚染問題は対象としていません。ただし、鉱油類に含まれるベンゼンは、第1種特定有害物質として土壌汚染対策法に基づく調査と措置が必要です。
建設工事中に発見された汚染土壌の取扱いについて教えてください。
建設工事に於いては、土壌汚染や地下水汚染の可能性を当初から予見できず、工事着手後に汚染が判明する場合があります。建設工事中に遭遇した土壌汚染が人の健康に被害を生じる恐れがある場合には、土壌汚染対策法の適用を受けます。同法の調査命令に至らない土地でも、工事による汚染の周辺への拡散を防止しながら安全に工事を進める必要があります。このための指針として『建設工事で遭遇する地盤汚染対応マニュアル(土木研究所)』が出版されています。
土壌溶出量基準と土壌含有量基準の2つがあるのはどうしてですか?
土壌溶出量基準は、地下水の飲用による間接摂取を評価します。重金属については、経口による直接摂取を評価するため、土壌含有量基準が定められています。
単位区画に於いて、トリクロロエチレンと鉛についての複合汚染が認められる場合の区域指定の方法を教えて下さい。
単位区画では、それぞれの特定有害物質ごとに、形質変更時要届出区域と要措置区域を指定します。
自然由来特例区域に於いて人為的な土壌汚染が認められた場合の取扱いを教えてください。
自然由来特例区域では無くなり、形質変更時要届出区域(要措置区域)に指定されます。
環境基本法に基づく土壌環境基準と土壌汚染対策法の土壌溶出量基準は同じものですか?
土壌環境基準は、「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準」であり、それを満足しなくとも罰則はありません。土壌汚染対策法の基準は規制値であり守る必要があります。土壌汚染対策法に先行して土壌環境基準の改定が進められます。また、土壌環境基準には、農用地に関するものとして銅の基準値も定められています。