土壌汚染「対策」Q&ASoil contamination survey Q & A
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土壌汚染「対策」に関する質問
土壌汚染「対策」Q&Aでは、土壌汚染調査についてよくいただくご質問内容をご紹介しています。
ご質問が解決しない場合は、お問い合わせフォームより直接お問い合わせください。
土壌汚染対策について
- 要措置区域等に指定された場合、すぐに対策が必要ですか?
- 複数の有害物質で汚染された土壌には、どのように対応したらよいのでしょうか?
- 汚染土壌の浄化費用はどれくらいかかるのですか?また、安く抑えることはできるのでしょうか?
- 稼働中の工場や建物がある敷地でも汚染土壌の浄化工事を行うことはできますか?
- 原位置、オンサイト、(オフサイト)の違いは何ですか?
- 浄化工事完了後のモニタリングはなぜ必要なのですか?
- 油汚染はどこまで浄化すればいいのですか?基準などありますか?
生物的浄化技術について
- 分解に必要な微生物はどこにでもいるものなのですか?
- 他のところから微生物を注入した場合、周辺環境に悪影響が出るのではないですか?
- 微生物のいる、いないはどうやって判断するのですか?
- 微生物分解に必要な期間はどれくらいですか?
- 確実に浄化できますか?
- 有害物質による汚染濃度が高くても適用できますか?
化学的浄化技術について
土壌汚染対策に関する回答
土壌汚染対策について
要措置区域等に指定された場合、すぐに対策が必要ですか?
要措置区域等に指定されても、汚染土壌に接触するような行為を行わなければ、すぐに対策(恒久)が必要というわけではありません。ただし、現に地下水汚染が生じており地下水の流れで有害物質が敷地境界から敷地外に拡散するような状況であれば応急対策としてバリア井戸やバイオバリア、透過性地下水浄化壁などにより汚染物質の拡散流出対策を行う必要があります。
複数の有害物質で汚染された土壌には、どのように対応したらよいのでしょうか?
汚染物質により対策方法が異なる場合がありますので、複合する汚染物質の種類により異なります。詳細はお問い合わせください。
汚染土壌の浄化費用はどれくらいかかるのですか?また、安く抑えることはできるのでしょうか?
有害物質の種類や濃度、また汚染されている深さにより、浄化対策費用は大きく異なります。例えば、微生物分解が可能な場合の対策であれば10,000円/m3程度から掘削除去・場外搬出処理の50,000円/m3以上までの大きな幅があります。
対策費用を安く抑えることも、有害物質の種類や濃度、また汚染されている深さにより大きく異なります。ただ、調査地点を追加して対策範囲を抑えることで対策費用を安く抑えることは可能です。
汚染状況を確認させて頂ければ、各種対策工法を比較し、最適な工法を提案することもできますので、詳細はお問い合わせください。
稼働中の工場や建物がある敷地でも汚染土壌の浄化工事を行うことはできますか?
稼働中の工場や建物がある場合でも、その状況によっては微生物処理や鉄粉処理などを用いた浄化工事を行うことも可能です。また、建屋の中でも設備の状況によっては掘削除去も可能です。
原位置、オンサイト、(オフサイト)の違いは何ですか?
原位置は、対象地において掘削を伴うことなく、原地盤中で粛々と浄化対策を行うことです。オンサイト処理、対象地に設置した浄化プラントなどを用いて掘削した汚染土壌を処理することです。オフサイトは、対象地の汚染土壌を掘削除去し、場外に搬出し浄化施設などで処理することです。
浄化工事完了後のモニタリングはなぜ必要なのですか?
浄化工事後に、土壌溶出量基準や地下水基準を達成したかどうかの確認調査を実施します。基準を達成すれば浄化工事完了となります。この後、地下水汚染が現にない場合は1回の地下水調査を、地下水汚染が現にある場合は2年間(4回/年以上)モニタリング を実施し地下水基準を満足すれば措置完了となり、要措置区域等の指定は解除となります。このモニタリングは浄化対策工事による影響がなかったことを確認するために必要です。
油汚染はどこまで浄化すればいいのですか?基準などありますか?
油汚染の濃度に関する基準はありません。したがって、油膜・油臭がないレベルまでの濃度まで浄化することが一般的です。過去の実績ではTPHで100~1,000mg/kg程度を目標とすることが一般的ですが、現地の油汚染土壌を用いたトリータービリティ試験で確認することが必要です。
生物的浄化技術について
分解に必要な微生物はどこにでもいるものなのですか?
これまでの経験上、ある汚染物質で汚染されている土地には分解に必要な微生物がいることが非常に多いです。例えばシアンを分解する分解菌も揮発性有機塩素化合物VOCsを分解する分解菌も多くの場合はいます。ただし、分解菌が存在しても分解を阻害する要因がある場合もあるので注意が必要です。
他のところから微生物を注入した場合、周辺環境に悪影響が出るのではないですか?
微生物処理(バイオレメディエーション)は、バイオスティミュレーションとバイオオーグメンテーションの2つの方法があります。バイオスティミュレーションは、原地盤中に栄養塩などを添加し原地盤中にいる分解菌を増殖・活性化させて有害物質を分解する方法です。バイオオーグメンテーションは、外部で培養した微生物を地盤中に投入する方法です。この場合は環境への影響を考慮して閉鎖空間で実施することや、「微生物によるバイオレメディエーション利用指針(環境省、経済産業省)」に則って実施する必要があります。
微生物のいる、いないはどうやって判断するのですか?
詳細には遺伝子解析による判断します。VOCsは、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンを使用した履歴があった場合、汚染状況の確認において、これらの分解生成物であるシスー1,2-ジクロロエチレンやクロロエチレンが検出されていれば分解する微生物がいると考えられます。
微生物分解に必要な期間はどれくらいですか?
微生物分解は、有害物質の濃度にもよりますが6か月から12か月程度かかります。
確実に浄化できますか?
事前のトリータビリティ試験を実施し、分解することを確認できた場合には確実に浄化できます。ただし、事前調査が10m ×10mに1箇所程度であるので、事前調査の濃度を大きく超過した汚染箇所を見逃していた場合もあります。この場合は、モニタリングなどで確認して追加の栄養塩の添加など複数回に添加することで確実に浄化できます。
有害物質による汚染濃度が高くても適用できますか?
微生物分解は、概ね5~20mg/L程度が上限と考えておいて下さい。これ以上の高濃度に対しても適用したケースはありますが、複数回の注入施工となり長期的な対応が必要になってきます。長期的な対応はコストも高くなりますので、化学酸化法などて低濃度まで濃度を下げて微生物処理を適用するなど費用面からも検討する必要があります。
化学的浄化技術について
薬剤を使うことで周辺環境に悪影響が出そうですが、使用する薬剤は安全なものなのですか?
使用する薬剤や量によっては、劇物や消防法の危険物に該当する場合もありますので、その使用方法など安全性については十分に考慮したうえで使用することが必要です。化学処理を提案する場合にはこれらのことも十分に考慮した検討をいたします。
化学処理は土壌の性質に関係なく、どこでも適用できますか?
土壌に含有する有機分の量や金属元素など、土壌の性質に大きく関係します。したがって、適用する際には、現地の汚染土壌と地下水を用いたトリータビリティ試験が必要です。
不溶化処理した汚染物質が再溶出することはないのですか?
例えばpHや酸化還元電位などの地盤環境要因の変化により、再溶出する可能性もあります。pHについては、土壌環境センターの「重金属等不溶化処理土壌のpH変化に対する安定性の相対的評価方法」による確認をするなどの対応が考えられます。